初心忘れるべからず

こんにちは。笠原万緒です。
いつか来るであろうラストライフに備えて、現役時代にふと「あ、今考えてることラストライフに書けるなあ」と度々思っていたのですが生憎メモってなかったので今とっても困っています。いつものように頭が悪そう(悪いです)な文章ですが少しでも読んでもらえたら嬉しいです。

私は高校バレー部時代での「雪辱を果たす」ために(zippyの諸君センターオブジアースでこれ叫ぶのやめて下さい)、大学ではボートという全く新しい競技で「勝つ」経験をしてみたいと思ってこの世界に飛び込みました。いざ漕ぎ始めると、バレーボールでは全く感じられなかったセンスをボートでは少しだけ味わえました。この感覚が新鮮だった私は必死にモノにしようと発起し、見よう見真似で学ぶのが自分には合っていたので上手い人の漕ぎを勉強する面白さを学びました。風呂掃除であり師匠三輪さんには本当にお世話になりました!ともかく未経験なりに好奇心を前面に出した結果、初めての早慶戦では最下級生なのにまさかのストロークになりました。ここまでトントンと来ましたが今振り返ると高校時代のダメな自分との一番の違いは「姿勢」だと思います。高校では自分が上手くならない事を試合に出させてくれないコーチや組織のせいにしたと思います。でも、辛い環境の中でも自分からもっとバレーがうまくなりたい、という積極性が随分欠けていたのです。それに比べてボート部に入ってからは一年生でもTTに勝って早慶戦に出たい、という目標が生まれ、その為に取るべき行動を自分で試行錯誤しながら考えるようになりました。下級生でも生意気に、強気に取り組む姿勢がきっと大事です。

後半は怪我のことを書きます。度々怪我をしていた私ですが去年の夏に分離症になって、そこから半年間も漕げなくなるとは思いもしませんでした。
辛かったです。
最初はバイクや伴チャすらもできない、対岸で見てる体勢もきつい、寝るのも痛い。動けるようになっても毎日バイク、4シャ奥の暗闇で孤独な戦い。艇庫抜けする考えが一切過ぎらなかったのでずっとみんなといましたが、漕いでいるみんなへの嫉妬心は積もり、2000測定さえも羨ましくて応援しながら涙が溢れちゃったり。漕げない自分は何のためにここに居るんだろう。と

自分の存在感というものは自分にしか作れません。居る意味がない、そう思ったらそのまま消えてしまいます。去年のメンブレピーク時に絢乃に「今できることをやってるだけで充分だよ」そう言われた時ようやく自分に少し希望が持てました。必要とされない存在であり続けるのではなくて、必要とされる存在になるために「今自分にできること」を精一杯やればいいんだと思います。一日ずつ、まずは小さな目標からコツコツ積み重ねるだけで大丈夫。そしてその記録の共有。自分のみバイクでも全体にその記録が共有されることによってみんな見てくれてるので頑張れるし、記録が伸びたら一緒に喜んでくれることが本当に嬉しかったです。あと、どんなにしんどい一日でもたくさん笑わせてくれて、色んなお話をして締めくくってくれた掃除場所、くだらない話ばっかしてるけど毎日同じ時間に一緒にご飯食べた同期、風呂とか消灯前の井戸端会議、たくさん元気をもらいました。艇庫には色んな人が色んな悩みや考えを抱えているけど、寝食共に過ごしていく中で些細な変化に気づいてくれる人がいたり、さりげない優しさが心の中で大きな炎となって灯されるような温かさを生み出す素敵な空間です。

最後まで怪我を引きずっていましたが、耐えてくれた身体にお疲れ、と思うと共に最後のクルーで一緒に戦ってくれた四人には心の底から感謝しています。
仏のように心が大きくて、冷静で的確な判断力を持った頼もしい萌。
とりあえずもう感謝しても仕切れない絢乃。
たった一人、末っ子、なのに文句一つ言わず全力でついてきてくれた最強のバウ、真麻。
そして一番一緒に悩んで、踠いて、考え、私たちの司令塔となって極限状態の漕手を生き返らせる春奈。

この四人と漕げてこれ以上ないほど幸せでした。
部活側から見ればサードクルーで、私自身ペア選考に落ちたり、「負けた」人たちが乗ったクルーです。でも、視点を変えて見れば私たちが抱いていた「悔しさ」が集結すれば物凄い原動力になるな、と思ってクルーを始動しました。

時に躓いたこともあったけど、誰一人嫌な顔せず一生懸命ついてきてくれてありがとう。

一歩ずつ着実に艇速が上がっていく道のりは難しかったけどワクワクでした。
とってもとっても楽しかったね。
目標には届かなかったけど、この3ヶ月で私たちが歩んできた過程はきっとこれからも生きる糧になると思います。

最後になりましたが、監督・コーチの皆様、保護者の皆様、OB・OGの先輩方、同期、後輩の皆、最初は反対してたけど4年間献身的に支えてくれた両親、そして結局ボート部入ってくれてめっちゃ刺激くれた妹、本当にお世話になりました。ありがとうございました。ボート部を通して得た繋がりは一生大切にします。

思い描いていた理想のラストライフとは程遠く、大したことは書けませんでしたが、私は胸張ってボート部出身であることを誇りに思います。こんなにも一人一人がそれぞれの色で輝いていて、共に大きな目標に向かって闘える組織ってそうそうないです。後輩のみんなのことをこれからもずっと応援しています。

ps タイトル、悩んだ挙句ノート1冊目一番最初に自分が書いてた言葉にしました。なんのためにこの部活に入ったのか、軽いノリで入ったつもりでも、時間が経つと忘れてしまいがちでも、みんな何らかの決断をしてボート部を選んだはずです。

幸いみんなにはまだボート部での時間が残されています。
まだまだ自分を変えるチャンスがあると思います。
辛い時、自分の初心をふと思い出してみてください。
涙で目の前が曇って見えなくても、ゆっくり深呼吸して立ち上がってみてください。
小さな一歩ずつでいいから、自分で自分の選択が正しかったことを証明してやる!

って意地張って、自分の足で踏ん張ってみてね。

ばいばい!

132期 笠原万緒

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