スリッパ揃えろ

お久しぶりです。武岡です。部活引退したらボートが恋しくなると思っていたのですが、そんな事は思うことなく意外と充実した日々を送っています。

「スリッパ揃えろ」、半年間言い続けたので男子部員なら一度は聞いたことあると思います。題名読んで「しつこいぞ」と思った人も多いと思います。でも、何度も僕に言わせないで自分でスリッパ揃えられる人間になってください。

132期が始まって、良い意味でも悪い意味でも艇庫ルールが緩くなったと思います。良く言えば生活しやすくなった、悪く言えばだらしなくなったといった感じです。その一つがスリッパです。老害OBみたいな発言をするのですが、僕が一年生の頃は大部屋に入る時、全員スリッパを部屋の方向に揃えてから入室していました。別に「スリッパを揃えること」に意味を見出してやっていたわけではなく、全員が実施しているから自分もやらなければと思って、スリッパを揃えていました。

しかし、いざスリッパを揃えない人が増えてきて思ったことは、「だらしない」。別にそんな些細なことどうでもいいじゃないか、スリッパ揃えなくてもここ2年の慶應は例年以上の結果を残しているのだから、そう思う人もいるかもしれません。もちろん僕だって「スリッパを揃える」という行為が直接的に艇速に繋がるとも思っていません。しかし、必ずしも艇速に無関係だと断言できるものでもないと思います。間接的であれば必ず艇速に関係していると、最高学年になって感じています。だからこそ、「スリッパ揃える」という些細な行為にも妥協しないで欲しい。

例えば、「スリッパを揃える」という些細なことが意識的にできる人は、きっと練習に向き合う上でも些細なことが意識できるようになれると思います。そういう人は体操だってしっかりできるだろうし、船だってしっかり洗い・拭くだろうし、練習中の1ストロークにもこだわれるようになるんだと思います。逆に「スリッパくらい揃えなくていいや」と妥協する人は徐々に妥協の範囲が広がり、「体操くらい手を抜いたって」、「船なんて適当に水で流しておけばいいっしょ」、「毎ストローク集中してられねえよ」と思ってしまうかもしれません。「体操をしっかりやる」、「船をしっかり拭く」、「毎日何千ストロークもするうちの1ストロークに拘る」どれも些細なことと言えば些細なことです。でも、「体操一つ」拘るだけで、朝練の体の動きはかなり変わると思います。「船の拭き方一つ」変えるだけで汚れの付き方が変わり、船の動きも変わると思います。1ストローク拘れるようになれば、1日に自分を変えるチャンスは何千回とあるわけです。そういう些細なことの積み重ねが大きな変化につながると思っていたから、そういうことを大切にする人間になりたいと思っていたから、この半年間スリッパのことはしつこく言い続けました。単純に僕が不器用で、効率の悪い生き方しかできないからこういう考え方をするのかもしれませんが。

現役の時、だらしないなと思ったことは他にもたくさんありました。外出する際室内履を下駄箱に片付けない、廊下ですれ違っても挨拶しない、船洗った後のバケツ片付けない・水を絞らない、まだ皿がヌルヌルしてるのに返却する。どれも些細なことです。しかし、こういう些細なことにも妥協しない人間になってほしい。上に書いたことを意識的に直せるようになれば、練習への向き合い方もきっと変わって、艇速に繋がるはずです。武岡が細かいことを気にしすぎていると言われればそれまでなのですが、この一つ一つの行為を改善すること自体そんなに時間がかかることでもありません。些細なだらしなさが当たり前になった日には、それを直すのも大変になります。些細だと感じられているうちに直してください。

何事にも妥協しない。それができれば全て終わった時、後悔しないはずです。引退する時、あの些細なことを直しておけばよかったと後悔しないように、個人個人の意識で改善できる些細なことは全て改善してください。

応援しています。

ps.写真のクルーは、「スリッパを揃える」ことは大切にできたクルーだったんだと思います。少しやり方が悪かっただけです。

武岡大雅

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