手に届く宇宙は限りなく澄んで

法学部政治学科四年の、廣橋光希と申します。

再度のアップとなってしまい申し訳ありません。手違いでブログを消してしまいました。。

明日、11月10日から、全日本選手権が始まります。皆様戸田公園まで足を運んで下さると幸いです。

さて、

ラストライフということで…なにを書こうか。

じゃあ、

自分が、ボートを通じてどれだけ弱い人間だったかを知った話でも、書こうかな。

長文ですが、お付き合いを。
まず、僕はとにかくメンタルの弱い人間だと思う。それは、生まれつきのものだ。中学、高校野球でもピッチャーなんかをやってたけど、マウンドに立つだけですくみ上がってしまい、ストライクが入らなかったのが懐かしい。

ボートをやればメンタルが強くなる。そう信じて入部した。エルゴ、2000m、寮生活…これらは僕を強くしてくれる試練だ。そう信じていた。だけど違った。

そう、

“人はいくら周りの環境を変えても、内側から変わらなければ絶対に生まれ変わらない”

つくづく感じた。

そして僕はこのボート部で、否が応でも内側から変わらざるを得ない状況に追い込まれた。すると、みるみる精神が崩壊して日常生活が送れなくなった。電車に乗れない、テレビが難しすぎて分からない、何も記憶できない(19単位が犠牲に。)、人と話せない、体重が10キロ落ちる。etc.
部活を休み、学校にも行かなくなり、自分の部屋に引きこもった。つい去年の夏の出来事だ。

まさか、小中高皆勤の僕が、体調ならまだしも、メンタルでくたばるなんて完全に想定外だった。

その頃思った事は、ロクでもない。
「生まれて来てごめんなさい。」「死んでいいかな。。」「生きててごめんなさい。」そんなことばかりだった。そんな僕を見た母親が心配して泣いている。倒れてしまう。そんな凄惨な状況に、自身の申し訳無さから、居なくなりたくなる。涙がでる。かあさんごめんなさい。本当にごめんなさい。。そんな日々が続いた。

この苦しみはなんだ。今ならわかる気がする。
脱皮だ。心の脱皮。
自然の世界は面白いほど、僕等に人生を教えてくれる。
蛇や蟹などの類はからだを大きくするために脱皮を繰り返す。天敵に喰われないように強くなるためだ。中には脱皮を乗り越えられず死ぬ奴もいる。命懸けの苦しみ、困難の先に、安全、自立、強さを手に入れるのだ。

僕は見えない天敵と戦っていたように思う。それは社会であり世界であり、艇庫の仲間たちとの生活だった。

なんとか立ち直れたのは、つい最近の話だ。今年のインカレが始まる前くらい。

元気な状態でインカレを迎えられて良かったと思う。大好きな後輩達と、最高の経験ができた。

それはさておき、僕が言いたいのは、人は誰しも”弱さ”を持ってるって事だ。なんてことない顔をして、死ぬほど悩んでる人がいるってこと。

リアルな体験を経て、弱い人の気持ちも全て汲むことができ、強い人の気持ちも知っている。
それが本当の、”立派な人”だと思う。
そのくらい奥行きのある人間の方が、おもしろいし、僕はすきだ。

僕は生まれてから今まで、ずっと自分の弱さを学んで来た。でも、強さを学んだ事はない。

どうすれば強さを学べるのか、、

それはひたすらに、
“弱さ”を知るしかない。
そんなことを気付かせてくれた、ボート部の4年間だった。本当に楽しかった。辞めたくない。ずっとずっと、大好きな後輩達と、ここに居たい。

こんな弱々しいクルーリーダーを頼りにして慕ってくれる後輩の存在が、ありがたい。有難い。

最後の一漕ぎ、その刹那まで自分の”弱さ”を知りたい

そしてボートを辞めても、死ぬまでずっと自分と向き合いたい
強くなりてぇ…
ただひたすらに、そう想いながら。

廣橋光希、慶應大学端艇部編、完。