誓い

だいぶ気温が下がってきましたね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

秋の深まりを乗艇中に受ける風の冷たさからひしひしと感じています、4年コックスの中居です。

 

辻くんの順番でしたが、先に書き上げたので割り込みで投稿させていただきます。

このままだと全員に回りきらないので、4年生、書けた人からどんどん更新お願いします、、、

 

 

「旅立ちの時は すぐに訪れた」

仰々しい(笑)タイトルから書き始めましたが、そんな堅い内容じゃないので、肩の力を抜いて読んでもらえればと思います。

まずは、音楽のレコメンから。

「ストレイテナー、ROCKSTEADY」

「旅立ちの時は すぐに訪れた」からはじまり、サビで「僕らは進まなくちゃ 先を急がなくちゃ」「君らは残らなくちゃ 後を担わなくちゃ」とまあほんとに引退にぴったりの曲だと思います。

この曲を聴きながら、試合に向かう自分の姿をイメージしていたら、あっという間にその時がきてしまいました。感傷に浸りたい方はぜひ。

 

ライフが回ってくるたびに音楽のレコメンをしようと思っていたのですが、1年生の冬を最後にとうとう順番が来ることはありませんでした。きのこ帝国とかアートスクールとかマイブラの話をしたかったのにいいいいい。

 

更新止めてたやつら、お前らあとで全員覚えとけよ。

 

 

 

 

さて、そろそろ本題に。

 

何書くかめちゃくちゃ悩みました。

今までの自分の歩みを振り返るのもよし。

諸先輩方への感謝を綴るもよし。

後輩のために説教じみた成功の秘訣でも書いてみようか。

 

いろいろ考えたのですが、みんながボート人生を振り返って素晴らしい文章を書いているので、ぼくはすこし趣向を変えて未来のお話をしてみようと思います。

 

 

「未来のことはどんなに考えたって、結局わからない」

未来の話って何やねん、スケールでかすぎんぞワレ。

という方のために結論から書きました。

未来のことは、たった4年先でもわからない、ということをお話しします。

 

4年間という時間は、超気持ちよくなっていた北島康介も何も言えなくなり、敗戦に悔しさを滲ませていた本田圭佑もきよきよしくなるくらい長いんです、みなさん知ってました???

 

22歳のぼくも、18歳、大学に入ったばかりのぼくからは想像もつかないようなところに立っていると思います。

昔はライトないわゆる「邦ロック」ってヤツを聴いていたのに、今は落ち着いた暗い音楽を聴くようになっている。

軽音サークルでギターを掻き鳴らすつもりだったのに、気がついたら辺境の地で日々ボートに揺られている。

このポジション絶対に向いてない、自分にはできないと思っていたコックスが、今は天職のように感じる。

 

感傷に浸るには十分すぎるくらい長いですね(笑)。

 

 

 

少しだけ自分の昔話をしたいなと思います。

 

入部してしばらくの間、先輩から

「対校に乗らなくていいよ。セカンドで楽しくやるのも手だよ」

ってよく言われていました。けっこうショックでした、期待されていないんだなあって(笑)。

まあ、そう言われると逆に燃え上がって意地でも対校乗ってやるよって思ってしまうのがぼくで。でも、対校に憧れながらも、上のレベルで戦うことに言い表せないほどの恐怖も感じている、そんな選手が18歳のぼくでした。

口では対校に乗りたいと言いつつ、毎日毎日、不安との戦いです。

 

全然うまくなっている気がしない。

うまくなるビジョンも見えない。

すぐ感情的になってしまう自分が、全体を俯瞰しなければいけないコックスというポジションを務められるのか。

わからない。わからない。わからない。

右も左もわからないまま、このまま自分はどうなってしまうんだろう。対校なんて夢のまた夢なんじゃないか。

 

 

そんな思いを払拭するために、毎回の練習に没頭する日々が続きました。

今日はこんなコールをしてみよう。今日はコールなんてどうでもいいから頑張ってまっすぐ進めるようにしよう。

先輩にしつこいほど質問してみたり、めちゃめちゃ怖かったけど、対校の人に一緒に練習してくれとお願いしてみたり。

他大のコックスのコールを伴チャしながら録音したこともありました。(このあとめっちゃ怒られました!勝手に録音するのはやめようね!!)

 

 

 

「気がついたら、、、」

ほんとに、「もがいていた」って言葉がぴったりじゃないかと思います。不安に捕まらないように、必死で泳ぎ続けていた。

でも、こんな不安から逃れるための必死の毎日が、気が付いたら自分の「未来」になっていました。

あのとき先輩にもらったアドバイスが大きく自分のその後を変えてくれた。

泣きながら積み重ねた練習が今立っている足場になった。

短所だと思っていた、感情的な部分はコントロールできるようになってからは誰にも負けない長所になった。

 

 

なんだかんだぼくは今ここに立っていて、ときどき凹みながらも何とかやっています。それなりに強く生きています。(メンヘラとか言わないでくださいね

 

 

未来って結局考えたってわからないんです。だって、今を積み重ねることでしか、たどり着けないから。でも、だからこそ逆もまた真なり。

「今を一生懸命頑張っていれば、その先に未来は開けてくる」

 

 

 

 

何かきっかけがあって、もしくは何もないせいで、どうしようもなく未来が不安になるとき、誰にもきっとあります。

そんなとき、苦しかったらときどき休んでもいいと思うのです。止まらずに走り続けられるほど人間って強くはないから。

 

でも静かにじっとしていると、そのうち少し元気になるとおもいます。何かしたくなります。止まっているのも案外疲れるんですね(笑)。

そうして動く元気が出てきたら、ゆっくりでいいから歩き出してみてほしい。足を進めるうちに、思っているよりずっと遠くまでいけるものです。

もしかしたら自分の思っている形とは違うかもしれないけれど、今の歩みの積み重ねが素敵な未来へと繋がっているかもしれません。

 

 

「意外と」

ぼくのことも、この文章を読んでいるあなたのことも、いろいろ好き勝手言う人がたくさんいると思います。そんなこと出来ない、って烙印を押されてしまうこともあります。

でも未来は結局誰にもわからない。

だからこそ、自分自身が自分の未来に一番の期待をかけてもいいと思うのです。

やってみたら意外とできるんだよ、人間って

 

少年野球を引退するとき(もう10年も前ですね)、コーチから

「意思が行動を作り、行動が習慣を作り、習慣が人格を作り、人格が人生を作る」

という言葉をいただきました。この言葉は、幼いながらにぼくの中にグサッと刺さりまして、これがぼくの未来観の礎になりました。

 

「人間、本気で思えたところまでは、絶対にいける」

 

 

 

 

気が付いたら、己を振り返り、諸先輩方への感謝を綴り、後輩に説教するライフになってました。(やばいやばい)

気を取り直して「未来の話」しますね。

 

 

 

「ほんの少し先の未来の話」

先日、エイトの練習で「超絶ウルトラスーパーハード」なメニューがありました。

ぼくは、正直これは乗り切れないだろうなあ、と心の中で思っていました。だって、まともにやったら体がボロ雑巾になってしまうくらいエグかったもん。

 

しかし、いざ練習が始まってみるともうそれはそれは漕手のパフォーマンスは言葉では表しきれないくらいに素晴らしかった。

とても高いクオリティーで、すべてのセットをやりきった。

 

 

静かに、でも気持ちを込めて漕ぎつづけるストローク。

絶対的大黒柱の7番。

しっかりと全体を見て、行くところは自分で勝負に行ける6番。

物凄いスピードで成長している5番。

苦しいときに頼れるエンジンの4番。

攻めるときは、本当に押してくれる3番。

クルーがどんな雰囲気でもみんなを支えてくれる2番。

誰よりもエイトに強い思いを持っているバウ。(叩き上げパワーで最後まで一緒に頑張ろうね)

 

 

その8人の姿を見て、ぼくはもう目の前がぼやけてしまうくらい感涙してしまいました。

どんな苦境にも負けず、強く、力強く、漕いでいる。生きている。

 

一緒に乗っていて、思いが溢れて止まらなかった。

 

このクルーでなら、どこまでもいける。

勝てる。勝ちたい。勝ちたい。

練習が楽しい、

ボートのことを考えるのが楽しい、

上手くなっていくのが楽しい、

みんなと時間を共有できるのが楽しい。

 

 

この最高のメンバーに、最高のコール、ラダー、パフォーマンスで応える。

 

 

 

それがこのときに立てたぼくの誓い。

 

 

 

 

 

慶應のことも、いろいろ好き勝手言う人がたくさんいると思います。夏の結果は散々でしたし、まあ至極当然です。

でも、未来は結局誰にもわからない

だからこそ、ぼくは自分に、このクルーに、このチームに最大の期待をかけたいのです。

やってみたら意外とできるんだよ、人間って

 

人間、本気で思えたところまでは、絶対にいける。

全日本がそれを証明する戦いになればと思います。

 

全日本選手権、男子対校エイト。

慶應レコードを更新します。

 

次は誰が書くのかな、

それでは。

 

中居