129期體育會端艇部4年ならびに商学部3年黒田です。
引退させてください…
書くの2回目にしてまさかのラストライフ。
後輩の皆さん、面倒でも地道に書いて更新し続けた方が後悔しないと思います。
ちなみに今回の僕のライフは約4000文字です。
参考までに磯貝くんは約5000文字でした。
長いですね、ラストだったのでいろいろ書いてしまいましたが時間の許す限りお付き合いください。
同期に遅れること1年、就職活動なるもので自分の過去を振り返ることが増えました。
自己分析というやつですね。
人生の選択で分かれ道に立ったとき、なぜその道を選んだのかを考え、自分のことをよく知りましょう的なやつ。
その流れでよく目にする『人生の選択に正解はない』という言葉。
この言葉の意味はなんとなくわかりますが、その先に続くとしたらなんだろうなと。
否定で終わるなら何か肯定した言葉に繋げて欲しいところです。
そもそも選択をしたその瞬間に正解だと決まる人生はなくても、何年か経過してから考えるとあの時の選択は正解だったのでは…とふと気づくことがありませんか?
もはやその瞬間は失敗だったのに…今となっては失敗してよかったなみたいなことも。
僕に当てはめると中学入試の失敗と留年があげられます。
中学入試に失敗していなかったら某一貫校に通っていたため志木高生になることはなく、大学も慶應ではなかったかもしれない、もちろんボートに出会わなかったかもしれないわけです。
一般的に正解の反対は不正解ですが、人生における正解の反対は後悔なのかなと思ったりもします。
そう考えると留年を後悔してはいません。
半年後には社畜になる可哀想な社会貢献をする素晴らしい同期より、1年余分に人生謳歌してやろうと意気込んでいます。(横線使ってみたくて無理矢理いれましたごめんなさい。)
もしくは、きっと自分にはこの1年が必要な運命だったんだと思い込んだり。
ようは10年後、20年後に留年が正解になる人生を送っていればいいんですよね。
そんな人生の選択について。
21年生きてきたうちの3分の1、7年を共に過ごしたボート人生を追いながら綴るラストライフ。
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“ボートという選択”
1つ目、早慶戦に選手として出られること。
2つ目、勝てること。
この2つをフィルターにかけて部活を探した結果がボート部でした。
早慶戦出場の最短ルートをいける部活はなんだろうかと考えた時、小中とやり込んできた大好きな野球は高校に早慶戦がなく、進学して六大学野球のレギュラーになれる未来が見えず、無理だろうなと諦めました。
好きを捨てました。
あとリーグ戦の中で年に何度も早慶戦ができるのは何かかける思いが違うなとも思っていました。
高校から始められるスポーツじゃないと勝ち目がないと考えると、ただでさえ部活の少ない志木高では2つに絞られ、グラウンドホッケー部とボート部しかありませんでした。
そして何より高校の部として早慶戦に出場でき、年に1度、365日の成果をたった15分の一発勝負にかける大学生の姿に惹かれました。
しかし、入部後に悟ってしまいました。
この同期の中で自分のフィジカルでは漕手として早慶戦には出られないと。
高2の夏には第2クォドのストロークでインハイ予選にしっかり出ました。
僕の漕手引退試合です。
オール1本1本に名前をつけていた志木高の内輪ネタですが、僕が使っていたオールはレジスタンスです。
あと何があったかな…と思い浮かぶのは、和平、海王我、グラードン、豆腐メンタル、漆黒の腹毛、YAMAYA等々…
ぜひ機会があったらチラッと志木高のオールのぞいてみてください。
個性溢れる志木高生の、名だたるキチガイが勝手につけたネーミングセンスも今や酒のつまみになるような良い思い出です。
“コックスという選択”
高2の夏を最後に主役で競争率の高い漕手ではなく、脇役で競争率の低いコックスを選びました。
漕手がキツかったとか、コックスをやりたくて転向したわけではなく、本気で早慶戦に出るためだけに選びました。
高校の部ですが無事に選手となって早稲田にも勝ち、晴れて高3の夏には対校クォドのコックスになってインハイ予選優勝です。
with 新井くん、麓くん
僕のボート人生でガチのガッツポーズをしたのはこれが最後です。
どちらの選択も挑戦を避けた逃げだと言う人がいるかもしれませんが、僕にとっては早慶戦に出られるのなら、と種目もポジションも問わなかっただけです。
愚直に確率の高い方を選択したにすぎません。
ボート人生7年のうち3年分早慶戦に出場することができ、高校時代の僕は紛れもなく正解の道を選んでくれました。
そして、大学に入部したあとも年功序列のコックスなら早慶戦は出られるなと確信し、目標も出るなら早慶戦の対校エイトという風に少し変わっていました。
念願叶って対校エイトに乗った去年の早慶戦。
負けて後悔したことが多すぎて、自分がコックスでなければ勝っていたのではと何度も考えました。
あの橋での舵はミスった、コールの入れるタイミング遅れた、マイクが水没してしまった…
考えるとキリがないものです。
この年の漕手陣は最強とまで監督に言われていただけにコックスの自分だけ場違いでやらかしたと。
艇種にもよりますが、2000mレースにおいて1艇身から半艇身差まではコックスの技量で埋まると言われています。
ということは、早慶戦なら2艇身以上は変わるかもしれません。
距離が長く、蛇行した隅田川はコックスにかかる比重が大きい分コースよりもやりがいを感じる中、3750mずっと半艇身の攻防を繰り返し敗北。
兄が途中の橋で撮影してくれたものです。
こんなに並んでいて両艇の距離が近い早慶戦は滅多にないのではないでしょうか。
コックスとして申し訳なさしかなく、自信もなくしてモチベーション0になりました。
なぜ自分が対校エイトになったのか。
来年に向けての経験を積ませるために自分は対校エイトに乗せてもらえただけなのか。
こいつに任せればいける、という選択をされたわけではないのだろうなと。
ネガティブを極めていました。
ひたすらに愚痴りまくって支えてもらったこともあります。
現実逃避もしました。
一人旅、おすすめします。
ネガティブになるのは自分に自信がなくなるからなので。
話も長いし、負のスパイラルに入ったので趣味の話をして切り替えましょう。
※ここまでで大体3分の2程かと、お付き合いありがとうございます。
皆さんからみたOFFを過ごす僕の印象はどんな感じでしょうか。
艇庫でも随一のアクティブに過ごしている人だと自負しています。
僕としては映画のアクションシーンを全部浅く体験してみたい、なんて思ってアクティビティやっています。
この歳で木登りやってみると、めちゃくちゃ高いところまで登れます。
1人でふらっと旅して、雪山滑って、海に潜りました。
そろそろスカイダイビングをやってみたいので誰か一緒に行こう。
こんなことは自分しかやらないだろうなってことを見つけると少しポジティブになれます。
根拠のない自信ってやつです。
自分の趣味は何だろうなと考えると、僕の中ではネガティブになった時にポジティブに変換できるきっかけが趣味です。
9割楽しみ、1割のスリルを味わうことでネガティブな心を打ち消しているような気もします。
一人旅、スノボー、ダイビング、全部楽しいですが、共通しているのは調子に乗ると地味に命に関わることです。
身近に例えるならフワッとする感じを楽しむジェットコースターみたいな。
写真の場所も小笠原の島民に案内してもらわないと辿り着けない、戦時中の砲台が置いてある崖です。
落ちたら死にます。
山の獣道を通るので普通なら立ち入り禁止区域みたいな場所です。
でもそこでしか見られない景色も非日常で、地平線に沈む夕日からグリーンフラッシュが見られました。
僕にとってネガティブな心を忘れられるので、非日常を体感することが趣味なんだと思います。
だから磯貝くんにとってスプラトゥーンはもはや趣味なのではないでしょうか。
“第2エイトという選択”
話は戻って部活のことを。
僕がボートに限らず勝負事で涙を流すのは後悔した時です。
笑っている時はたとえ負けても正解の道を選んだと、満足に感じられた時です。
どちらでもない時は無表情になっています。
7年間の比率でいうと1:1:8くらいです。
それを踏まえた早慶戦も、去年は泣いて今年は笑っていました。
あれだけ大差で負けて悔しい気持ちはあっても、レース中は正直楽しんでいました。
スタート直後完全にレーン侵害してくる早稲田にぶつけたら前代未聞だろうなとか。
この艇差をひっくり返せたらかっこいいなとか。
大荒れなのに影響を受けないRGの水を切り裂いて進む重厚感すごい好きだなとか。
翌朝1人の選手から、エグくて意識が飛んでいたけれど、橋の下で黒田さんの声聞こえて我に帰ってこれましたと言われました。
7番の笑っているやつに言われたんですが、僕にとって一番嬉しい言葉でした。
第2エイトは自ら選んだ道ではありませんでしたが、これもまた正解だったなと改めて思っています。
自ら選択して正解になったボート、コックスという選択と、選択せざるを得なかった第2エイトは、結果的にどちらも正解の道でした。
今年は早慶戦、東日本、インカレとエイトに乗りましたが、漕手8人と一緒に勝利に貢献できなかった自分が嫌になり、自分が最大限に付加価値を与えられるクルーに乗りたいと思うようになりました。
エイトの8人をカバーできるほどの技術は自分にないので付きペアに乗りたい、とコーチ含め周りにも話していました。
果たしてこの付きペアという選択が正解になるのかどうか。
全日本選手権次第です。
漕手の力を何%引き出せるかがコックスの技量です。
エイトで8人の力を引き出すことはできませんでしたが、何としても付きペア2人の力を引き出し、残り3週間で7年間の蓄積を伝えられるだけ伝えようと思います。
10月28日のレース後。
結果はどうであれ、笑顔でボート生活に幕を閉じたい。
9割を占める涙と無表情だけは避けたい。
これから先、社会に出るに従って理不尽すぎる出来事がたくさん起こるだろうなと身構えています。
どんな人生の選択をしようと後悔しないように努力し、正解に変えていくことが人生かなと。
あと60年くらい生きていくなかで大事にしていきたいと思えた、人から聞いて僕は腑に落ちた、最初の問いかけに続く深イイ言葉。
『人生の選択に正解はない、でも選択した人生を正解にする』
次は岸本に忘れられたキムミナ?それともこいちゃん?
あと3週間でみんなにまわるように巻きで2人とも書いてください。笑